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犬のしつけインストラクター乳がんステージⅢbからのサバイバル挑戦

夏休みの珍客⑤~一緒に暮らすためのしつけ~

まあつい吠えちゃったり回っちゃったり
トイレ失敗しちゃったりするTクンですが

それはそれは愛いヤツでしてね。

一旦心を許した人には
ひたむきな信頼と愛情を寄せてくれて
すごくよく意思疎通ができる。
(冷静な時には)


補佐役のお家へ来て2年、
最初引き取った時はなかなかに問題満載で

補佐役から色んな困った話を聞きながらも
「良い先生だねぇ♪」とワタシは特に何も言うことなく
2年の月日が流れ。


今回こうして2週間お預かりをすることになって
24時間一つ屋根の下で一緒に暮らすようになってから
改めて驚いたことがいっぱいで。

補佐役は
「もう、ややこしいヤツをお任せしてすみません」
とか言ってたけど
(そら確かにややこしい部分もあるけれど)


なんのなんの。


ああ、キミはお母さん(補佐役)から
こんなにもたくさんの大切なことを教えてもらっていたんやなあ。

一緒に過ごすと、
そのワンコが今まで何をどう教えてもらっていたか、が
手に取るように分かります。


柵がなくても勝手に特定の場所(キッチンや和室)へ入らないこと。
人の食事中は欲しがらずに寝てること。
人の食べ物をおねだりしないこと。
テーブルや椅子に前足をつかないこと。
勝手に盗み食いしないこと。
フードの準備は静かに待つこと。
トイレで排泄すること。
(時に合図で排泄すること)
ハウスに入ること、出ること。

ブラシは気持ちのよいもの。
名前を呼ばれるのは嬉しいこと。
人の目をまっすぐ見て意図を聴き取ろうとすること。
散歩中も常にこちらの存在を意識すること。
困った時は自分からコンタクトを取ってくれること。
などなど・・


これは、寸分の狂いもないオビディエンスが出来るとか
命令をどれだけ早く正確に聞けるかとか

反射的に指示に従って決められた形を取る
「訓練」とは全く異なるもので


どんな競技会で合格しようと
どんなたくさんの芸ができようと

「オスワリ、マテ」を言わない限り
勝手にテーブルに手をかけたり
上のもんを食い漁る・・では
こりゃ、「しつけをしています」とは言えないもんな。


日常の中で
人を信頼し
最低限決められたルール(やっていいこと、いけないこと)を守り
かつその範疇で自由にリラックスして過ごす

これが家庭犬として暮らすワンコたちに
本当に必要な「家庭の中のしつけ」ちゃうんかな。


補佐役は、2年かけて
試行錯誤しながら
悩み、迷いながらも
じっくり、Tクンに伝えていたんやね。



オスワリやフセ
指示で決められたポーズが取れることも
もちろん異種の交流(人と犬)においては
共通認識という糸を編み上げるために便利なアイテムなんやけど

そう、ヘレン・ケラーが
このちゃぷちゃぷした物体に「水」という名前があるのだ
という概念を理解した瞬間から世界が広がったように


けれど、決して
「しつけ=オスワリ・フセ・マテ」
という短絡的なものじゃない。


どれだけ言うことをきけるか?
よりも、
どれだけルールを理解しているか?

それが、「ヒトと一緒に暮らす」根幹やと思うから。



キッチンへ入って欲しくない。
これをワンコに教えるルートはおおまかに3種類かな。
(もちろんほんまはもっといっぱいあるけど)


ひとつは
キッチンに仕切りを付けること。
物理的に入れないようにバリケードを築く。
手っ取り早い。
けれどワンコは何も学習しない。
仕切りがなければいつでも入りたいときに入ってくる。


ふたつめ。
「マテ」という”形”を教えること。
指示されたポーズで「動くな」というコトを教え、
それをキッチンの外でせよ、ということ。
「マテ」の間は、動かず解除まで待たなければならない。
だって、「待て」だから。


みっつめは
「ココは入らんとってな」を教えること。
その場所にさえ入らなければ、
リビングでホネをかじっててもいいし
寝ててもいい。


さあ、本当の意味での「家庭の中でのしつけ」はどれやろう?

コドモで考えると分かりやすいな。
柵で仕切るか?
正座させとくか?
ココじゃないどこかで好きにしといてもうのか?

それはもちろん、乳幼児とオトナで対処は変わってくるのは
ワンコも同じ。


「とーちゃんがアイスクリーム食べてるけど、オイラ寝とく。」
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「家庭犬のしつけ」ってなんやろう。

何度も何度も、考える。
それを考えるのが、ワタシの仕事。






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夏休みの珍客④~3つのルール~

ご先祖様からベルドッグの役割を受け継いだであろうことと
成犬になるまでの社会化不足も相まって

ほんの些細な刺激(音、見慣れぬモノ)にも
吠え始めて止まらなくなってしまうTクン。


不安、イライラ、困惑(時に期待や嬉しさも)
とにかくココロにわずかでも波が立つとその場でグルグルと回りはじめ

やがてすぐにその常同行動の波は大きくなり
(脳内に興奮物質が出る)

興奮が興奮を呼び

”止まらぬ吠え”が出る頃には
あたかも嵐の大波にのまれ翻弄される木の葉のごとく
彼自身にもどうしようもない状態に陥る。

そんな時のTクンは
自分で自分をすでに止められず
たとえ何とか一瞬止めることができても
すぐにまた些細な刺激に
今度は一気に爆発する。


彼のデフォルトが
本当はとてもコミュニケーションが取れるコだっていうのを
知ってるから
余計にその状態に胸が痛むねん。


興奮というのは厄介なもので
いわゆる「クセになりやすい」。

何度も草むらで同じルートを歩くと
徐々に太く通りやすく道が作られるように
日常的に興奮を重ねていると
興奮のレッドゾーンに入るのが早くたやすくなる。


そんなTクンには、
我が家に滞在中3つのルールを作った。

回らない
見張らない
占有しない


回ることが興奮を高めるなら、
徹底的に回ることをさせない。

回る理由によって
じらさずさっさと与えるか
セルフアクティブで座ったのちに与えるか
刺激から回避するか
厳しめにたしなめられるか
状況によって選択は違うけど
とにかく、2周以上絶対に回らせない、と心に決めて接する。



「猫!?!?」
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色々なモノが気になって
(猫やら外の物音やら)
身体に緊張感をほとばしらせて
じっと耳を澄まし何かを見張る時は

徹底的に
「もうよろしい。キミが見張る必要はない」
と伝える。

それでもなお緊張と警戒を解かなければ
「いい加減にするべし。キミがこの家を仕切る必要はないのだ」
と伝える。
この国の治安はワタシが守る。
キミが包丁を握りしめて緊張したり
銃を振りかざす必要はないのだ。
寝てろ。

ここのツボは、
タブーは「見張ること」であって
「吠え」てからやめさせる、ではないこと。
波は小さなうちに静めること。
すでに嵐になってからでは、それを静めることは難しく
結局また草むらの道を歩いたことになる。


最後の「占有しない」ってのは
Tクンは”自分で見つけた居心地の良い場所”に
固執しやすく
(まあ彼に限らんけどな)

そのポジションを得た時には
排他的になりやすい傾向がある。
つまり、余計に警戒・吠えやすくなる。

だから我が家では
”居心地の良い場所”は許可の元に提供されるものであり
自分で勝ち取るものではない、というルールを作った。

いくつかの”居ていい・乗って良い場所”の他に
勝手に場所を見つけてそこを占領していた時は
即座に移動を命じられる。
(その代わり許可で提供された場所は、
 そこで安穏と過ごすことを保証される・・
 れっちゃんや猫たちが来ても、ワタシがそっとガードする)


そんな3つのルールを作ってから

ウチに来て12日

最初の3日は試行錯誤やったけど

その後9日間、彼はほとんど吠えずに過ごしています。
たとえチャイムが鳴って宅急便が来ても!!
(吠えたとしても、1声「ヮフンッ」で終わる)


やや緊張しながらも(ストレススマイルですね)
クロベエさんがここまで近づいても過剰反応しなくなりました。
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大丈夫、もしもクロベエさんがこれ以上近づいたら、
おばちゃんがそっとガードしたげるから。
もしくは、逃げ道を教えてあげる。


「守ってもらえる」と思うからこそ、委ねてくれる。
(専門的に言えば「クリティカルディスタンスの確保」)

「逃げる・場所を移動するという平和的解決」を知るからこそ、
吠えて追い払う必要がなくなる。
(「フライトディスタンスの保障」と「占有意識の消去」)


ルールを守れば、自分の権利が保障され、
安寧の中に身を置けるということ。
そしてそのワンコの信頼を、自分が裏切らないこと。



回ることを許さない。

見張ることを許さない。

占有することを許さない。

こんなん厳しいと思う?
かわいそう(優しくない)って?


そうかなあ。


でもTクンは、こんなぐでんぐでんのワンコになってまっせ。
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ほえ~~



「おばちゃんの側も落ち着くわ~」
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ホンマのかーちゃんが戻ってくるまで、
おばちゃんにいっぱい甘えていいよ。

ただしこのポジションに来ることも許可制。
そして「そろそろあっちで寝ようね」で移動するルール。
だって、「この落ち着けるポジションを占有できた!ボクのものだ!」
と思ったとたんに、
猫を見たら緊張とガン飛ばしが始まるから。



目先の「かわいそう」や「優しい方法」
それは本当かな?

答えはいつも、ワンコがくれる。


そして今日まで、

彼のこの行動を変えることを目的としたオヤツを

一粒も使ってない。



オヤツとただただ褒め言葉だけで
本当に波に飲まれるココロを守ってあげられる?

もちろんそれらが有効であることも多いし
場合によっては強力なツールであることも充分知ってる。
だからワタシも有効だと思う時には大いに使う。

けれど
すでにココロに波が立ち始めた彼には
褒め言葉など届きやしないし
(むしろ余計に興奮を煽るか守られ意識で余計排他的になる)
そもそもそんな時には、食べ物なんざ、見向きもしない。

「無視しましょう」なんてもってのほか。
自分でインパルス・コントロール(衝動コントロール)ができないことに
彼自身が一番辛いのだから。


さあ、教科書に載ってないワンコには
どうする?

どんな偉い人の本より
どんな高いセミナーより
どんな試験に合格するより


やっぱり目の前の一頭のワンコが
一番偉大な先生なんだ。



トイレシート交換を簡易にする方法の一考察

ウチのペット用室内トイレは

ただいま

・れっちゃん(犬)
・クロベエさん(猫)
・Tクン(犬)

という大所帯で使われておりまして。

朝なんか、トイレの前に行列できるもんね。
クロベエさんのオシッコが終わるまで、
後ろでれっちゃんとTクンが足踏みして待つという。
(交通整理はワタシの役目)

ほんでそんな時は
1頭ずつシートを片付けるヒマなんかないので

1頭がオシッコした後に
わんこそばよろしく
新しいシートを「ほっ」「あらよっ」とかぶせていくという。


朝でなくとも

気が付けばいつも誰かが排泄してあって
(ほんま、えらいよなあみんな)
しょっちゅうトイレシートを交換してるんやけど

その労力と費やす時間はハンパない。


中でも女の子ポーズでオシッコするのはれっちゃんだけで

Tクンは足上げ型
クロベエさんはマーキング型
やもんやから

トイレの横にシートをクリップで留めてたんな。


「さあ来い」
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そやけどさあ、
この”クリップ”が微妙に面倒で。

時々「パチン」てはじいちゃって
オシッコの上に着地したり

ふと置いたはええけど
「え?アタシさっき、どこ置いたっけ??」
てなったりする。



話は変わって、れっちゃん14歳になって
肉球がカサついてきたみたいで。

トイレの中で何周か回ると
シートが肉球に引っかかって動いちゃって

結局シートがなくなったとこで
オシッコしちゃう、みたいな。残念。

「れっちゃんの肉球さあ」

「ガサガサでマジックテープみたいに
 シートがくっついちゃうんだよ」


ん?


トイレシートはマジックテープにくっつく?



ハイ 作ってみましたー
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百均のマジックテープを貼ってみた



シートの端を少し折り返して
(裏のビニールはくっつかないので)


くっつける
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おおおおおおーーーーくっついたーー♪
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よっしゃあああ


程よいくっつき加減で

シートは充分ホールドし
かつ
剥がすのも軽くて簡単。

これでもうクリップに翻弄されることもない。
ストレス95%軽減。


コレ、どこか商品化してくれへんかな。
(てか、アイデア買い取ってくれ)



まあ結局
れっちゃんの肉球マジックテープ問題は
解決してへんけどな。




夏休みの珍客③~夏休みの工作~

成犬になるまでケージの中だけで暮らし
外の世界を知らずに育ったTクン。

外では緊張して排泄できず
室内ではついマーキングしちゃうという
ややこしい性癖があります。

補佐役の根気強い愛情で
補佐役のお家ではちゃんとトイレが出来るようになったし

ウチでも80%の確率でちゃんと自分でトイレに行って
排泄できるんやけど(えらい!)

場所が変わればやっぱり昔の習慣が出てしまうもんで
ふわぁ~と別のコトを考えてる時に、
つい足をあげちゃったり、違うところで出ちゃうみたいな。


補佐役が気を遣ってマナーバンドを一緒に持たせてくれたんで、
様子を見ながら着けてますが
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「どよーん」


なんかちょっと、ゴワゴワしてたり
お腹が苦しそうだったり。

背中のマジックテープの「バリバリ」音と
引っ張られる感じも、すっごく嫌そう。


うーん。


ごめんよ、こんな余計なもん着けるの、嫌だよねぇ。
せめて、もっと快適にしてあげたいぞ。


てことで、人生初のマナーバンド作り。
柔らかくて伸びの良いTシャツをリメイク。
背中はマジックテープではなく、そっとほどいてあげられる紐にしよう。
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数年ぶりの裁縫が、ワンコのオムツて。

ウチにはミシンがないので、一針ずつ心を込めて手縫いです。
チクチク、チクチク

外では大雨。チクチク。

暗くなってきたぞ。チクチク。

薄暗い部屋で、一人チクチク・・


暗い夏休みだな。
夏休みの工作が、犬のオムツか・・


ちょうどその時、補佐役からラインが入った。




「セドナ来てまーす♪」
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この差よ。



まあええよ。
キミのこんな笑顔が見れるなら。
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「おばちゃん、これ快適ー♪」


考えよう。
答えはある。(CMか)




夏休みの珍客②~側にいる存在~

Tクンとれっちゃんは
教室で一緒にいてもケンカはしませんが

Tクンはれっちゃんを「迷惑な存在」と認識してました。
れっちゃんを見る目は、常にクジラ目。
3m以内には基本近寄りたくないし近寄って欲しくもない。


2年間そんな関係でしたが、
まあ、困難というものは認識を変えるもんですね。

見知らぬ家、見知らぬ人、
初めて見る猫、聞きなれぬ音・・

数日は血便出すくらいパニクるんちゃうか、とも覚悟してましたが


くつろいでるれっちゃんをお手本に。
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「アイツが寝てるんなら、大丈夫なんやろか」


リラックスしてるれっちゃんの存在は、
緊張しいのTクンにとってとても大きな拠り所になるらしく。


いつの間にか、こんな近くに。
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お、さらに近づいた。
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ついにひっついたー
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(れっちゃんが、他のワンコが体に触れるのを許すのも珍しい)



こらこら、寝相悪いぞ
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側にいる存在(ニンゲン含め)に影響されるのが犬。

オタオタ、あたふたしてるモンの側じゃあ、
落ち着けないよね。

そこは、オヤツを使ったトレーニング理論とはまた別の
”ココロ”の部分。



ビビってたり、緊張してたり、興奮してたり。

ワンコのココロに大きな波がうねる時ほど

揺るがぬ冷静さでドシンと構える。
荒波に流されぬ錨となる。

そんな存在を、ワンコは頼り、信頼する。








夏休みの珍客

ついに世間ではお盆休みに突入ですね。


さて。


しばらく更新が滞っておりましたが
ちょっと事情がありまして。


その事情とは


これ。
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「え、ここドコなん」※こう見えてポメです。


こちら、補佐役の愛犬T。
補佐役が米国へバケーションに行っちゃったんで、
我が家でお預かりしとります。


事情あって成犬で補佐役家へやってきたTクン。

来た当初はそらもう、なかなかのココロの閉ざしっぷりで
「おおおーーーい」と呼んでも
全く見えてないし聞こえてないし

些細な音や刺激に吠えだしたら止まらないし

トイレも定まってないし

常同行動もすごくて、
ずーーーーっとグルグルグルグルグルグル回ってた。

回ってるときは、完全にイっちゃった状態になって
瞳孔が開いてパンティングが止まらない。
ほんで、声も全く届かない。


そんなTクン、教室で週2くらいで会いつつ
ほぼ2年のお付き合いになりますが

いっこもなつかへん。
(もちろん飼い主たる補佐役にはよくなじんでる)


ワタシとはそんな冷めた関係でしたが、

小さなことでも大きなストレスを抱えやすい彼を
2週間近くペットホテルに預けるのも辛かろう・・
吠えすぎて喉にポリープできるんちゃうか。
回りすぎてバターになってまうで絶対。


完全に消去法で
「多分、ウチがまだ一番マシ
という協議により
お預かりすることになりました。


出発の前日、ウチに連れて来た補佐役

「先生んちでどーなるんでしょー?楽しみぃ♪うふふっ」
と言い残して去ってったしな。


折しも、教室も夏休み。

とことん、向き合ってやろうぢゃないか。Tクンよ。


まずは、ワタシに慣れてくれ。






俺と一緒に逃げてみないか

まるで金爆が歌いそうなタイトルですが。


先日相談に来てくれたMIXワンコ
とにかくあらゆるものが怖くて怖くて(室内も外も)

伏せて小さくなって固まるか
パニクって落ち着きなく歩き回るか

ただただ、身体を硬直させて
自分一人(一匹)だけの世界で恐怖と戦ってました。

そのコをGK9のドッグランで放したら
歩道側のゲートへ姿勢を低くして駆け寄り
外を覗き込んで緊張し
階段側のゲートへ駆け寄り警戒し・・

まるで
「世界でただひとつ、自分の逃げる能力だけを信じてる」
状態やって。

ああ、このコ恐怖の中で孤独なんやな・・と胸が痛くなった。

人もそうやけど、犬も孤独って恐怖なんよな。
究極コワイ時にさ、一人きりでどうにかしなきゃいけないなんて、
辛すぎるよな。
飼い主さんも、そんなワンコに胸を痛めて相談に来て下さいました。


何とかしてあげたい、だけどどうしてあげりゃいい?

今まで何頭もの怖がりワンコを見てきたけど
それぞれに言い分が微妙に違ってて
”怖がり”の出方もそれぞれで

だから当然マニュアルなんて作ることも出来へんし
「おーい どうした?教えて!」と
ココロの中で呼びかけながら
ひたすら目とココロをこらしてそのコの言い分を聴き取り
千差万別のアドバイスとトレーニングと。

脱感作、逆条件付け、暴露、回避、関係性の再構築、
タッチワーク、リードワーク、環境マネージメントetc..

何がそのワンコに必要なのか
どうすればそのコに伝わるか
何から手をつけたらいいのか

いつも脳内がスッカラカンになるくらい
全ての経験と知識の引き出しをひっくり返して総動員して
向き合うわけですが

ああもうーーー
神さま、ワタシの毛(髪と言え)と引き換えに
ソロモンの指輪を下さいーーといつも思っちゃう。
(せっかく生えたのに。粗末か。)


そのコのココロのチャンネルに
自分のチャンネルを合わせても
聞こえてくるのは
ただただ、この世界全てに不安と恐怖と。

何も見ない、何も聞かないように頭を抱えてうずくまるか
独りぼっちで泣きながらひたすら安心を求めて逃げまどう・・
そんな不安と恐怖の感情でした。

人も、究極追い詰められると、
側で手を差し出されても目に入らへんよな。
笑顔も、慰めの言葉も届かへん。
クッキー?食べてられるか!

だけどアナタは、一人(一頭)じゃない。
側に、こんなに優しい飼い主さんがおるんよ。
守ってあげたい、って願ってる。

気付いてほしい。
ねえ、人は頼れるんだ、ってこと。



人と人が絆を結ぶ最大のイベントの愛の誓いが
「病める時も健やかなる時も」
なら、

ビビリワンコとの絆の誓いは
「楽しい時もコワイ時も」
になるんやろか。


ゲートで一人緊張してるそのコの側へ行き
一緒に緊張して外を警戒し

直後に

「逃げろーーーーー」

でダッシュして反対側へ。

「アンタも来い!・・こっちや!!」
(そのコもつられて一緒に逃げる)

今度はワタシが先にゲートへ警戒しに行く
(つられて一緒に覗きにくる)

また「逃げろーーー」で率先して逃げる。(今度はちょっと楽しそうに)
(ワンコつられて一緒に逃げる)



するとですね、
ようやく「ワタシの存在」が
そのコの目に入ったようで。

なんや、ビビリがここにもおるがな、と。
そしてコイツは自分よりも逃げ足が速いがな、と。

ほんのちょっと興味を示してくれて、
ワタシのニオイを嗅ぎに来てくれるようになりました。
(このコ的には・・
 初対面のヒトのニオイを嗅ぎに行くのはありえないことだそう)

時間がきてドッグランセッションはここまで、になったけど


ワタシがもっと彼女に
「逃げ足の速いビビリ」と認定されて信頼されたら

そこからようやく今度は
「大丈夫」を伝えることができる。

自分より警戒心が強くて逃げ足の速いアイツが
平気な顔をしてるんなら、
きっと大丈夫、と。

ヤバイ場所を歩く時に頼りになるのは
自分より危険を察知する能力の高い人やもんな。


もちろん色んなアプローチがあって、
たまたまこのコにはこの方法を取っただけで

ビビリワンコ全てに最適かというと
決してそうではないのだけれど

赤ちゃんの寝息実験
(最初、赤ちゃんの寝息にリズムを合わせて呼吸し、
 徐々にこちらがリズムを変えていくと
 赤ちゃんの呼吸もつられてリズムを合わせてくる)
みたいに

まずは同じ世界にどっぷりハマって同調し
そこから外の世界に徐々に引き出していく方法が
功を奏することがあるってのも

ワンコが人と同調できる能力があるという
実証に他ならんよね。


俺と一緒に逃げてみないか?

時にそう言ってあげられるような
ワンコのトレーニングが
もっともっと、柔軟なものになりますように。





重大な”些細”もあるんよな

昨日の記事で

自分のメンドクサイ性癖のお陰で
何となくビビリワンコのキモチが分かる気がする、という
話題を書きましたが

一応ワタシはニンゲンなので
「不快な刺激」も何が起きているのか一応理解できるし
「○○が苦手です」と同族(人)に伝えることも出来るけど

喋れないワンコのジレンマはいかほどのものか、と
常日頃思ったりします。


「犬の問題行動」として
ウチに寄せられるSOSの中にも
完全にワンコ側のせい・・いわゆるワンコのワガママ、というものは
まずほとんどなく

やや過敏な感覚を持つワンコが
その「生きずらさ」ゆえにパニクっていたり
イラ立っていたりすることが多く

それを代弁して必死で飼い主さんに伝えることから
始まったりします。


些細なことで急に怒り出して吠えたり咬んだりする
ワンコの相談とかあるんやけど

その”些細なコト”はニンゲンの感覚で”些細”であり
そのワンコにとってはちっとも”些細”なんかじゃなくて
実は重大なことやったりね。


ワタシが昔住んでたマンションは
大きな国道と高速道路の高架沿いにあって

常にたくさんの車やトラックの音と振動と排気ガスの臭い
朝夕の渋滞時には
脳ミソがブルブル震えるようなアイドリングの低周波に頭痛がして

3年くらい我慢して住んだけど
最後の方はもう24時間ストレス状態で
常にイライラしてしょーもない(今思えば)ことでダンナと
ケンカばっかりしてたっけ。

今の場所に引っ越ししてからは
イライラと連日のケンカも収まって

蓄積したストレスの怖さを体験した。
性格変わりまっせ、ほんま。

そやけどあのマンションのストレスを
住人全員が感じていたかと言えばもちろんそうでもなく

だからそれを訴えても
分かる人と分からない人に分かれるやろうと思うし

平気な人からすれば「車の振動くらい」って
”些細なコト”扱いされる可能性もあるわけで

そやけど、ワタシは引っ越しが出来たからまだ良かったよな。
ワンコ、自分で引っ越しできへんもんな。


車の音や振動でなくても
それはドアの開け閉めの音だったり
家族の大きな話し声だったり
大きな足音だったり
先天的に鋭敏な感覚を持ったワンコなら
日常の生活音に、徐々にストレスをため込むコもおるやろう。

散歩に出ても、
人間社会の騒音や環境に、適応しずらいコもおるやろう。

そんな時に欲しいのは
はなっからオヤツでごまかしたり
「慣れろ」と刺激に曝されたり
まして叱られることではなく

ちょっと静かな場所をくれませんか?
という配慮と、
その為にできるニンゲン側の努力(理解と回避の優しさ)
やったりするかもしれん。


ワタシが
「犬の言い分を考えないで食べ物さえ使えば優しいと思っちゃうトレーニング」に
嫌悪感すら感じるのは
こんな自分がいるからなんやろうな。
ワタシなら、そんな扱いされるの、イヤやもん。


車がビューンと走る道の歩道を歩くとき
補佐役がカットインして車道と遠い側を歩かせてくれるのは
ほんまに安心できるし救いになる。

もしワタシがワンコなら
交通量の多い道なんか好きになれないけど
そうやって歩いてくれるなら、ガマンできる・・って
思うかもしれないし

知らない人が後ろにいる時
ワタシがヒィィとなる前に
うまいこと距離を取るように導いてくれたなら。

そんな人になら、むしろリードを持って欲しい。
放さんとって。フリーにせんとって。


何が苦手なの?
何が怖いの?
何が嫌なの?
それはアナタにとって、どれくらい重大なことなの?


言いたいことがないから、喋らないんじゃない。
言いたいことがあっても喋れないんだ。ワンコは。
そんな当たり前のことを、忘れちゃいけない。

アナタの些細は、ワタシの重大。

特に・・ことトレーニングとなるとつい忘れがちなんだけどさ。
「優しい」を目指すなら、コレは忘れちゃいけないと思うんだな。

その上で出来ること、出来ないこと。
トレーニングだけを万能視すると、
きっと置き去りにされるココロが出てきちゃうから。



きゅーー・・となること

ワタシがパニ症で
電車に乗った時に救急車で運ばれたということは
すでに多くの方々がご存じのことなんやけど

まあ誰でもひとつやふたつ
心臓がきゅーー・・となることがあるやんな。

尖ったもんが苦手、とか
ツブツブが集まってるとゾッとする、とか


パニ症ついでに
ワタクシ、実は大きな音と車が苦手です。

大きな音といっても、
普通にライブなんかは平気やし
掃除機もレベルも屁ではない。
いわゆる「大音量」てのは全然OK。

アカンのは「突発的な」大音響・・
ドアが風でバッターーーン締まるとか
何かをガチャーーン落とすとか

あ、モップの柄が床に倒れた時の
カッツーーンてのも基本ダメ。

ビクーーッとなって
心臓がきゅーー・・となる。

・・でその後、イライラ~っといら立つ。
(いら立つのは、音を立てたヒトに対して、ではなく、
 驚いた、という状況に対してみたいだ)

自分でもよくウッカリ八兵衛で突発的な大音響を
立ててしまうことがあるけど

一人で

「ぅうがあーーー

と身もだえしてたりします。


あと車が苦手ってのは
乗るのも運転するのも基本平気なんやけど

歩いてる自分の横をビューンとスピード出して通りすぎられると

心臓バクバクして
足から力がヘナヘナ~と抜けて
その場にしゃがみ込みたくなるねん。コワイねん。

前世で車と何かあった?て思うくらい。

車が怖くて歩けないワンコの肩を抱いて
「分かる、分かるよ~」てしみじみ語り合いたくなる。
焼き鳥屋で一杯酌み交わしたくなる。


教室の前の大きな道の
歩道を歩いてコンビニへ行く時なんかも

車道に近い所を歩くと
車が通り過ぎる度にワタシがよろめいたりするもんやから

いつも補佐役が車道とワタシの間をカットインして歩いてくれるという。

ほんでビューンと車が通ってフラフラ~となった直後に
やっぱりガルルゥ~・・とやり場のないイラ立ち?怒りがわいてくる。
多分その時は鼻にシワ寄ってる。
クジラ目になってる。


だから「なんか急に怒り出すんです」というワンコのキモチが
これまた何となく分かるような気がする。

感覚器官のすぐれた動物だもの、
きっと、人が気づいてない「ビクッ」のツボや
イラ立ちのツボにハマっちゃうんだろうなあ。


ちなみに、知らないヒトが自分のすぐ後ろを歩いたり
通り過ぎたりするのも結構ダメで
微妙に耳を倒して警戒してしまうし

いないと思って油断してたところで
突然出くわしたりすると
(あの教室死角だらけ)

ヒイィーとやたら驚いて走り回り、
直後のイライラで身体をかきむしったりする。
(補佐役は何度か目撃して爆笑)


え、改めて書いてて思った。

アタシ、ビビリワンコとおんなじやわ。



抗がん剤を打ってから体質が変わり

雷の”ピカッ”で全身に静電気がゾワワ~と走るのを
感じるようになり
(ほんで頭痛がするようになり)

ああ、雷キライのワンコたちは
ただあの「音」が嫌なだけじゃなくて

この静電気に包まれる感覚からして嫌やったんや、と知った。
(今度、雷が鳴ったられっちゃんのサンダーシャツ着けてみよう。)



多分「ニンゲン」としては
やや過敏なメンドクサイ部類に入るんだろうけど

もっと感覚が鋭敏な一部のワンコたちにとっての
「生きずらさ」も少し理解できるのは

このチョッピリメンドクサイ性癖のお陰もあるのかしらん、と
思ったりします。

いっそ、尻尾生えてこい。





朝からこんなインストラクター二人

先日、補佐役が

「良いアームスリーブ(アームカバー)があるんです~♪」

「先生の分も一緒に注文しちゃいました♪」

「うふ♪」

て言うとったんやけど
ついにそれが届いたらしく。

「オソロで草刈りの時に使いましょう~♪♪」

今日、持ってきてくれました。





まさかの、タトゥー柄。
201707202051520a0.jpg
コルセットがもう。
コルセットに見えない。





補佐役も着けてみる。
20170720205214d0f.jpg
あれ、なんか可愛いくね?
ズルくね?





ほらぁ、「ちょっとポップ」で通用するやん。
20170720205137d1c.jpg
人柄の良さがタトゥーの怪しさを打ち消してる。





打ち消してないパターン。
201707202051264d8.jpg
完全に、ヤバい。
「教室」から「事務所」へ名義変更。



え、アタシこの姿で草刈りなん。



この姿で。


e098f9c08647a856a6344f4ee0514ad1_s_convert_20170717085447_convert_20170717090027.jpg


補佐役よ、ワタシを一体どこへ連れて行く気なんだ?




上半身はこんなことになってますけども



足元はブヨに刺されて赤子の足になってます。
20170720205237afd.jpg
腫れて、パンッパン。




ちなみに、アームスリーブの代金はしっかり回収されました。




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Graceのブロマガ

犬に興味のある方や、しつけインストラクター向けのディープな話題。ブログでは語りきれないGrace的思考のアレコレ。興味のある方はぜひ。(有料記事)

プロフィール

Grace

Author:Grace
ドッグトレーニングインストラクターにして、只今闘病中。乳がんステージⅢbからのサバイバルを目指しつつ、日々想ふことあれこれふわりふわり。

2014/2
7cm大腫瘍発覚
リンパ節転移
ステージⅢb

2014/3 
CVポート埋め込み
抗がん剤開始
FEC×4クール

2014/6 
ハーセプチン+ドセタキセル×4クール

2014/9/29
切除手術(右全摘)
腋窩リンパ節郭清

2014/11/4
ハーセプチン×14クール

2014/12/18
ホルモン治療タスオミン開始
(5年間予定)

2015/1/21
放射線治療25回 50Gy

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