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犬のしつけインストラクター乳がんステージⅢbからのサバイバル挑戦

その言葉に実は感謝してるんです

今日は長くてまじめでマニアック。(しかも重め)
私の想いの成り立ちなど。

お時間のある方は、どうぞ。

---------------------------------------------


(試験に受かりたいなら)
犬を変えた方が早い。もっと受かりやすい犬を飼ったら?


インストラクターになるなら、飼ってはいけない犬。
 このタイプ、いい犬のデモンストレーションに使えないし。



かつて先輩インストラクターたちからボロっクソに言われた犬、れっちゃん。



オイラ、ダメ犬ですか?
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他人に対する警戒心が強く、加えてビビリな性格上
某試験のいくつかの項目がどうにも苦手で落ち続けた。
どんなにトレーニングしても、越せない壁があった。


新しい環境にストレスを感じやすく、興奮度が上がり
普段はなんでもない指示すら耳に入らなくなる。

当然、「落ち着いたお利口犬」のデモにも不適切。



オイラ、そーゆーの苦手なんだよね
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や、犬に優しい、って思ってたから。
人と動物の絆♪ルン♪っつってたし。
「どうしたらいい?」って聞いたら、何かしらの救いの道を教えてもらえると思ってたんやけど。

フタ開けたらちょっと違ってた。

「うっそーー犬にダメ出しーー!?」というあの時の驚きと失望。

犬は道具なんかな。この業界の人間にとって。

「これは仕事には欠陥品やし。もっと性能の良い道具を手に入れなさい」そう言われた気がした。



オイラ欠陥品なんだとー
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「キミじゃアカンのやって。」

れっちゃん抱きしめて、

悔しくてー 悲しくてー こらえた夜ぅー (以下のフレーズは自粛)
ぴぃぴぃぴーーぴぃぴぃぴーー




資格を取るのにどうしても試験に受からなくちゃいけなくて、
藁にもすがる思いで別のトレーナーに聞いたこともあった。

「さあねー。信頼関係じゃない?

れっちゃんとは正反対の、落ち着いて物怖じしない犬で
その試験を3回受けて一度も落ちたことがない人は面倒臭そうに答えた。


うそやーん。犬の性格の違い、信頼関係で片付けちゃってええのん?
れっちゃんの警戒心が強いのもビビりなのも、信頼関係のせいなん?




「主従関係が出来ていれば、犬は何をしても絶対咬まない。」
アホこけ。彼らはそんな単純なもんではない。

しかし
「信頼関係がないから試験に合格でけへん」
その言葉も、実は主従関係があれば云々・・と、大差ないんちゃいますのん。
(信頼関係って美しい言葉やけど、むやみに使うと凶器になるわ)



それらの言葉が、どうにも納得できずに悶々としていた10年前。
ちゃうわ。なんか絶対ちゃうわと。

やがて2年半の長きに渡るチャレンジの結果、ようやく試験に合格した時に
ちゃうわの思いは確信へと変わり、

お陰様で、その頃私の目指すものが決まりました。


今の業界の概念を、いつか変えちゃる。



社会に受け入れられる犬(もしくは仕事で使いやすい犬)を欲して、
ありの~ままの~自分の愛犬を受け入れられない。

その犬の得手不得手を”信頼関係”にすり替えて、”個性や気質”に目を向けられない。

(人間目線で)都合の良い夢の犬を追いかけて、
今日の一日を目の前にいる愛犬と心寄り添わせて過ごすことができない。

まるきり本末転倒ではござらぬか、と。

まして教える立場の人間が、”この犬、欠点あるから次のをご用意ください”なんて
そんな考えじゃ誰も救えないやろうと。飼い主さんどうすんねん。犬チェンジか。


実は取り換えられた犬のお利口デモを見せられて、

「ウチのコダメだわ~」と愛犬に溜息ついたり
「もっともっと!しつけを!やらねば!」と追い詰められたり

そんな飼い主さん増やして何の意味がある?



羅針盤の針が、ある方向を ピキーン! 示した瞬間。
(怨恨やないで。この頃トレーニング至上主義に傾きかけていた私に、
 犬の神様がくれた言葉やったんやと思う。「我ら犬族の魂について、よく考えよ」と。むしろ感謝。)




私がするべきことは、

操作されたお利口犬イメージの呪縛を広げることじゃない。

信頼関係の名のもとに、何一つ欠点のない犬にしつけることじゃない。
(第一自分自身はどうよ。欠点だらけやわ。)



個性とか、そのコが犬の神様から授かった巻物とか。
そんなものを無視した画一的なしつけに、ヒトと犬が寄り添って暮らす意味はない。




キミがキミでありながら、共に楽しく生きる道を考えよう。れっちゃん。
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あ、もちろん、犬も飼い主さんもしんどい問題は改善してかなアカンよ。

尖ったコはよりマイルドに。
シャイなコは少しでもキャパが広くなるように。
ルール?はあ?それ旨いのん?とか言ってるコには「ルール、あるしな!」と。

こんがらかった糸はほぐし、抜けた目は編み直す。


そこのバランスな。

「今のこのコにはこれが精一杯やと思う。充分頑張ってるで。」
「もうちょっとココをこうすれば、こう出来るんちゃう?」

その両方を見抜いて言ってあげられるプロ。

否定やなく、気休めやなく、無理強いしないけど諦めない。
そんな存在が必要なんや、と。

そして編みあがったセーターは、それぞれの形であっていい。



オイラ、そう言ってもらえるとホッとします
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私がそんな当たり前やけど大切なことに
10年も前に気付けたのも、れっちゃんのお陰やな。

あれこれやり尽してもなお、
犬の神様からもらった巻物を後生大事にしてるキミが、
あまりにも、ユニークだったから。


オイラだけじゃないよー。みんなピカピカにユニークだぞー
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そやね。だから、本当にどのコも愛しい。


”理想のお利口犬”のデモはできないれっちゃんやけど、
他の場面では無類の活躍を見せてくれる。(主にガウガウデモ)←(なんで文字ちっさくしたん)

その素晴らしい才能は、日本犬のオーソリティも絶賛した。
多分、こんなデモできる犬は国内でも数えるほどしかおらんと思うわ。マジで。


今まで先人たちが飼い主さんに見せてきたセオリーデモ

『どーーでしょーか。この犬のお利口さよ』


とはむしろ 対極 の 正反対 の 真逆 の(しつこい)


『犬が元々持ってる(どーしても捨て去れない) 犬である部分』と

『考えも習性も違う種族でも、こうしたら信頼関係の元に平和に暮らせる』その姿。

獣とペットの境界線を絶妙のバランスでキーーーーープ。



れっちゃん、私はキミに背を向けなくて良かったよ。
諦めて早々に犬チェンジしなくて良かった。


あったりまえだろー ふざけんな。
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キミがいたから、私は犬の神様に顔を向けてられる。


そもそも彼らはどんな種族なのか?

それを知らずして、本当の理解も絆もありえない。

理解があるから、対処がわかる。
理解がないままに対処を暗記しようとするから、使えんマニュアルになるねん。

彼らの行動(問題)をどう封じ込めるか、を学ぶ前に、
私ら・・知らなきゃいけないこと。あるはずやん?



そんな私の声に耳を傾けてくれる仲間が増えてきた。
「その考えが好きやねん」と言ってくれる飼い主さん。
セミナーで伝えるチャンスを与えてくれる人も現れた。(Bの母、感謝やで!)


ちまたでは”犬のココロ”をテーマにする本も出始め、(一過性のブームで終わらんことを祈る)
”犬のココロ!犬の感情!”というフレーズもようやく囁かれるようになってきた。


ようやく・・ようやく、やで。

10年越しの作りたかった(当たり前の)世界

「だってボク○○やねんもん!」と言ってる犬のキモチを
正しいバランスで受け止めるのが当たり前な時代を作っていく。

その世界には・・あんな言葉はもう存在せえへんはず。
ダメ犬れっちゃんももういない。

ホンマはみんな、心の奥底で気付いとったんやろうけどなあ。



次のステージがほんの少しずつやけど、近づいてる。


ぴぃぴぃぴーーぴぃぴぃぴーー


 (C) Grace K9 fellowship labo
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COMMENT▼

No Subject

試験に受かるために犬を変えた方がいいとか
飼ってはいけない犬って言う人に教わりたくないわー!!
っていうか教わることなんてないわー!!
こっちは飼った犬を簡単に変えることなんてできないんだから。

れっちゃんと二人三脚(六脚?)でいっぱい大変なこともあっただろうけど、
そういう大変さを知ってる方が困ってる飼い主さんの気持ちに寄り添えるよね。

れっちゃんホントよく頑張ったんだねぇ…。
健気だのぅ…。

華さま

うん、れっちゃん頑張ってくれたー。(;_:)
私のワガママに、よく付き合ってくれたと思うわ。

出来るだけ(私なりに)気を配ってはいたけれど、
やっぱり彼にとっては楽しい思いばかりじゃなかったと思う。
「もうお家帰りたいなー」って思ったことも度々あったんじゃないかなあ。
本犬のみぞ知る、やけど。

なんでわんこってこんなにいいヤツらなんやろう。
お人よしというか。気がいいというか。
この部分ではダメダメやけど、こんないい一面もあるんよー!って
今なら大声で叫べるわあ。

どのわんこも、それぞれの飼い主さんにとって必要な”気づき”を届けに来てくれるんかな。
華さんにとって小梅タンじゃなきゃだめなように、私もれっちゃんじゃなきゃだめだったんだよね。
感謝やわ。ほんまに。


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犬に興味のある方や、しつけインストラクター向けのディープな話題。ブログでは語りきれないGrace的思考のアレコレ。興味のある方はぜひ。(有料記事)

プロフィール

Grace

Author:Grace
ドッグトレーニングインストラクターにして、只今闘病中。乳がんステージⅢbからのサバイバルを目指しつつ、日々想ふことあれこれふわりふわり。

2014/2
7cm大腫瘍発覚
リンパ節転移
ステージⅢb

2014/3 
CVポート埋め込み
抗がん剤開始
FEC×4クール

2014/6 
ハーセプチン+ドセタキセル×4クール

2014/9/29
切除手術(右全摘)
腋窩リンパ節郭清

2014/11/4
ハーセプチン×14クール

2014/12/18
ホルモン治療タスオミン開始
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