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犬のしつけインストラクター乳がんステージⅢbからのサバイバル挑戦

俺と一緒に逃げてみないか

まるで金爆が歌いそうなタイトルですが。


先日相談に来てくれたMIXワンコ
とにかくあらゆるものが怖くて怖くて(室内も外も)

伏せて小さくなって固まるか
パニクって落ち着きなく歩き回るか

ただただ、身体を硬直させて
自分一人(一匹)だけの世界で恐怖と戦ってました。

そのコをGK9のドッグランで放したら
歩道側のゲートへ姿勢を低くして駆け寄り
外を覗き込んで緊張し
階段側のゲートへ駆け寄り警戒し・・

まるで
「世界でただひとつ、自分の逃げる能力だけを信じてる」
状態やって。

ああ、このコ恐怖の中で孤独なんやな・・と胸が痛くなった。

人もそうやけど、犬も孤独って恐怖なんよな。
究極コワイ時にさ、一人きりでどうにかしなきゃいけないなんて、
辛すぎるよな。
飼い主さんも、そんなワンコに胸を痛めて相談に来て下さいました。


何とかしてあげたい、だけどどうしてあげりゃいい?

今まで何頭もの怖がりワンコを見てきたけど
それぞれに言い分が微妙に違ってて
”怖がり”の出方もそれぞれで

だから当然マニュアルなんて作ることも出来へんし
「おーい どうした?教えて!」と
ココロの中で呼びかけながら
ひたすら目とココロをこらしてそのコの言い分を聴き取り
千差万別のアドバイスとトレーニングと。

脱感作、逆条件付け、暴露、回避、関係性の再構築、
タッチワーク、リードワーク、環境マネージメントetc..

何がそのワンコに必要なのか
どうすればそのコに伝わるか
何から手をつけたらいいのか

いつも脳内がスッカラカンになるくらい
全ての経験と知識の引き出しをひっくり返して総動員して
向き合うわけですが

ああもうーーー
神さま、ワタシの毛(髪と言え)と引き換えに
ソロモンの指輪を下さいーーといつも思っちゃう。
(せっかく生えたのに。粗末か。)


そのコのココロのチャンネルに
自分のチャンネルを合わせても
聞こえてくるのは
ただただ、この世界全てに不安と恐怖と。

何も見ない、何も聞かないように頭を抱えてうずくまるか
独りぼっちで泣きながらひたすら安心を求めて逃げまどう・・
そんな不安と恐怖の感情でした。

人も、究極追い詰められると、
側で手を差し出されても目に入らへんよな。
笑顔も、慰めの言葉も届かへん。
クッキー?食べてられるか!

だけどアナタは、一人(一頭)じゃない。
側に、こんなに優しい飼い主さんがおるんよ。
守ってあげたい、って願ってる。

気付いてほしい。
ねえ、人は頼れるんだ、ってこと。



人と人が絆を結ぶ最大のイベントの愛の誓いが
「病める時も健やかなる時も」
なら、

ビビリワンコとの絆の誓いは
「楽しい時もコワイ時も」
になるんやろか。


ゲートで一人緊張してるそのコの側へ行き
一緒に緊張して外を警戒し

直後に

「逃げろーーーーー」

でダッシュして反対側へ。

「アンタも来い!・・こっちや!!」
(そのコもつられて一緒に逃げる)

今度はワタシが先にゲートへ警戒しに行く
(つられて一緒に覗きにくる)

また「逃げろーーー」で率先して逃げる。(今度はちょっと楽しそうに)
(ワンコつられて一緒に逃げる)



するとですね、
ようやく「ワタシの存在」が
そのコの目に入ったようで。

なんや、ビビリがここにもおるがな、と。
そしてコイツは自分よりも逃げ足が速いがな、と。

ほんのちょっと興味を示してくれて、
ワタシのニオイを嗅ぎに来てくれるようになりました。
(このコ的には・・
 初対面のヒトのニオイを嗅ぎに行くのはありえないことだそう)

時間がきてドッグランセッションはここまで、になったけど


ワタシがもっと彼女に
「逃げ足の速いビビリ」と認定されて信頼されたら

そこからようやく今度は
「大丈夫」を伝えることができる。

自分より警戒心が強くて逃げ足の速いアイツが
平気な顔をしてるんなら、
きっと大丈夫、と。

ヤバイ場所を歩く時に頼りになるのは
自分より危険を察知する能力の高い人やもんな。


もちろん色んなアプローチがあって、
たまたまこのコにはこの方法を取っただけで

ビビリワンコ全てに最適かというと
決してそうではないのだけれど

赤ちゃんの寝息実験
(最初、赤ちゃんの寝息にリズムを合わせて呼吸し、
 徐々にこちらがリズムを変えていくと
 赤ちゃんの呼吸もつられてリズムを合わせてくる)
みたいに

まずは同じ世界にどっぷりハマって同調し
そこから外の世界に徐々に引き出していく方法が
功を奏することがあるってのも

ワンコが人と同調できる能力があるという
実証に他ならんよね。


俺と一緒に逃げてみないか?

時にそう言ってあげられるような
ワンコのトレーニングが
もっともっと、柔軟なものになりますように。





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Graceのブロマガ

犬に興味のある方や、しつけインストラクター向けのディープな話題。ブログでは語りきれないGrace的思考のアレコレ。興味のある方はぜひ。(有料記事)

プロフィール

Grace

Author:Grace
ドッグトレーニングインストラクターにして、只今闘病中。乳がんステージⅢbからのサバイバルを目指しつつ、日々想ふことあれこれふわりふわり。

2014/2
7cm大腫瘍発覚
リンパ節転移
ステージⅢb

2014/3 
CVポート埋め込み
抗がん剤開始
FEC×4クール

2014/6 
ハーセプチン+ドセタキセル×4クール

2014/9/29
切除手術(右全摘)
腋窩リンパ節郭清

2014/11/4
ハーセプチン×14クール

2014/12/18
ホルモン治療タスオミン開始
(5年間予定)

2015/1/21
放射線治療25回 50Gy

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