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犬のしつけインストラクター乳がんステージⅢbからのサバイバル挑戦

夏休みの珍客④~3つのルール~

ご先祖様からベルドッグの役割を受け継いだであろうことと
成犬になるまでの社会化不足も相まって

ほんの些細な刺激(音、見慣れぬモノ)にも
吠え始めて止まらなくなってしまうTクン。


不安、イライラ、困惑(時に期待や嬉しさも)
とにかくココロにわずかでも波が立つとその場でグルグルと回りはじめ

やがてすぐにその常同行動の波は大きくなり
(脳内に興奮物質が出る)

興奮が興奮を呼び

”止まらぬ吠え”が出る頃には
あたかも嵐の大波にのまれ翻弄される木の葉のごとく
彼自身にもどうしようもない状態に陥る。

そんな時のTクンは
自分で自分をすでに止められず
たとえ何とか一瞬止めることができても
すぐにまた些細な刺激に
今度は一気に爆発する。


彼のデフォルトが
本当はとてもコミュニケーションが取れるコだっていうのを
知ってるから
余計にその状態に胸が痛むねん。


興奮というのは厄介なもので
いわゆる「クセになりやすい」。

何度も草むらで同じルートを歩くと
徐々に太く通りやすく道が作られるように
日常的に興奮を重ねていると
興奮のレッドゾーンに入るのが早くたやすくなる。


そんなTクンには、
我が家に滞在中3つのルールを作った。

回らない
見張らない
占有しない


回ることが興奮を高めるなら、
徹底的に回ることをさせない。

回る理由によって
じらさずさっさと与えるか
セルフアクティブで座ったのちに与えるか
刺激から回避するか
厳しめにたしなめられるか
状況によって選択は違うけど
とにかく、2周以上絶対に回らせない、と心に決めて接する。



「猫!?!?」
201708111443351ab.jpg

色々なモノが気になって
(猫やら外の物音やら)
身体に緊張感をほとばしらせて
じっと耳を澄まし何かを見張る時は

徹底的に
「もうよろしい。キミが見張る必要はない」
と伝える。

それでもなお緊張と警戒を解かなければ
「いい加減にするべし。キミがこの家を仕切る必要はないのだ」
と伝える。
この国の治安はワタシが守る。
キミが包丁を握りしめて緊張したり
銃を振りかざす必要はないのだ。
寝てろ。

ここのツボは、
タブーは「見張ること」であって
「吠え」てからやめさせる、ではないこと。
波は小さなうちに静めること。
すでに嵐になってからでは、それを静めることは難しく
結局また草むらの道を歩いたことになる。


最後の「占有しない」ってのは
Tクンは”自分で見つけた居心地の良い場所”に
固執しやすく
(まあ彼に限らんけどな)

そのポジションを得た時には
排他的になりやすい傾向がある。
つまり、余計に警戒・吠えやすくなる。

だから我が家では
”居心地の良い場所”は許可の元に提供されるものであり
自分で勝ち取るものではない、というルールを作った。

いくつかの”居ていい・乗って良い場所”の他に
勝手に場所を見つけてそこを占領していた時は
即座に移動を命じられる。
(その代わり許可で提供された場所は、
 そこで安穏と過ごすことを保証される・・
 れっちゃんや猫たちが来ても、ワタシがそっとガードする)


そんな3つのルールを作ってから

ウチに来て12日

最初の3日は試行錯誤やったけど

その後9日間、彼はほとんど吠えずに過ごしています。
たとえチャイムが鳴って宅急便が来ても!!
(吠えたとしても、1声「ヮフンッ」で終わる)


やや緊張しながらも(ストレススマイルですね)
クロベエさんがここまで近づいても過剰反応しなくなりました。
20170811151726c9e.jpg
大丈夫、もしもクロベエさんがこれ以上近づいたら、
おばちゃんがそっとガードしたげるから。
もしくは、逃げ道を教えてあげる。


「守ってもらえる」と思うからこそ、委ねてくれる。
(専門的に言えば「クリティカルディスタンスの確保」)

「逃げる・場所を移動するという平和的解決」を知るからこそ、
吠えて追い払う必要がなくなる。
(「フライトディスタンスの保障」と「占有意識の消去」)


ルールを守れば、自分の権利が保障され、
安寧の中に身を置けるということ。
そしてそのワンコの信頼を、自分が裏切らないこと。



回ることを許さない。

見張ることを許さない。

占有することを許さない。

こんなん厳しいと思う?
かわいそう(優しくない)って?


そうかなあ。


でもTクンは、こんなぐでんぐでんのワンコになってまっせ。
2017081108393315e.jpg
ほえ~~



「おばちゃんの側も落ち着くわ~」
20170811151815146.jpg
ホンマのかーちゃんが戻ってくるまで、
おばちゃんにいっぱい甘えていいよ。

ただしこのポジションに来ることも許可制。
そして「そろそろあっちで寝ようね」で移動するルール。
だって、「この落ち着けるポジションを占有できた!ボクのものだ!」
と思ったとたんに、
猫を見たら緊張とガン飛ばしが始まるから。



目先の「かわいそう」や「優しい方法」
それは本当かな?

答えはいつも、ワンコがくれる。


そして今日まで、

彼のこの行動を変えることを目的としたオヤツを

一粒も使ってない。



オヤツとただただ褒め言葉だけで
本当に波に飲まれるココロを守ってあげられる?

もちろんそれらが有効であることも多いし
場合によっては強力なツールであることも充分知ってる。
だからワタシも有効だと思う時には大いに使う。

けれど
すでにココロに波が立ち始めた彼には
褒め言葉など届きやしないし
(むしろ余計に興奮を煽るか守られ意識で余計排他的になる)
そもそもそんな時には、食べ物なんざ、見向きもしない。

「無視しましょう」なんてもってのほか。
自分でインパルス・コントロール(衝動コントロール)ができないことに
彼自身が一番辛いのだから。


さあ、教科書に載ってないワンコには
どうする?

どんな偉い人の本より
どんな高いセミナーより
どんな試験に合格するより


やっぱり目の前の一頭のワンコが
一番偉大な先生なんだ。



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犬に興味のある方や、しつけインストラクター向けのディープな話題。ブログでは語りきれないGrace的思考のアレコレ。興味のある方はぜひ。(有料記事)

プロフィール

Grace

Author:Grace
ドッグトレーニングインストラクターにして、只今闘病中。乳がんステージⅢbからのサバイバルを目指しつつ、日々想ふことあれこれふわりふわり。

2014/2
7cm大腫瘍発覚
リンパ節転移
ステージⅢb

2014/3 
CVポート埋め込み
抗がん剤開始
FEC×4クール

2014/6 
ハーセプチン+ドセタキセル×4クール

2014/9/29
切除手術(右全摘)
腋窩リンパ節郭清

2014/11/4
ハーセプチン×14クール

2014/12/18
ホルモン治療タスオミン開始
(5年間予定)

2015/1/21
放射線治療25回 50Gy

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